「仕事」と「家事育児」の両立と聞くと、夫婦でタスクをいかに分担するか、ということが真っ先に頭に浮かびませんか?
そして、パートナーに「今度からこれやってほしいんだけど・・・」と投げかけて、「え?なんで?(やりたくないんだけど・・・)」と気まずい空気になった経験はありませんか?
この「気まずい空気」の根っこにあるもって何でしょう?
例えば、「家事育児は女性がやるもの。夫はあくまでお手伝い」というお互いの固定観念。
例えば、「夫も妻もどちらもやりたくない、他のことに時間を使いたいのに押し付けあっている。」という理想と現実のギャップ。
例えば、共働きでありながら、多くの家庭で家事育児の大部分を母親が抱え込んでいる現状を生み出しているのは、母親自身の「私が最終責任者」という意識であり、パートナーが「家事育児に主体的になれない」というハードルなのではないでしょうか?
パートナーの主体性を奪っているものは何か?
二人の子どもなのに、一緒に暮らしているのに、いつの間にか妻に集中しがちな家事育児。
イクメンという言葉が生まれて早10年、男性の育児参加への意識は変わりつつありますが、まだまだ「妻を手伝う」に止まっているケースが多い気がします。
妻が産育休をとり夫が会社勤めを続けていた場合、実働量の差、情報量の差、思い巡らせている時間の差が生まれるのは避けられないことかもしれません。
その間、妻も自分なりの家事育児を試行錯誤して確立ていくので、夫が手を出そうとすると「もっといいやり方がある」「自分がやったほうがうまくできる」と苛立ってしまう傾向があります。
こういった妻の苛立ちやモヤモヤを感じ取って(時に突きつけられて)、「変に手を出さないでおこう」「言われたことを言われた通りにやっておこう」と萎縮してしまうことが起こりがちです。
妻が家事育児の責任を抱え込む窮屈さを手放し、夫が主体的に家事育児に関わるにはどうしたらよいでしょうか?
両立チーム育児ラボでは、単にタスクを分担するのではなく、両者の意識を見直しパートナーシップを強化していくためのステップを考えてみました。
(1)両立=分担ではない!?まずはどんな家族でありたいかを再確認する
毎日の生活、ほんの少し先の未来、我が家がどんな状態だったら理想的ですか?
慌ただしい毎日に夫婦の会話も業務連絡に留まりがちですが、子どもが寝静まった後や休日にベビーシッターの力を借りて、二人きりで話す機会を作ってみましょう。
結婚を決めた頃や子どもが生まれる前に描いていた「こんな家族になりたいね」を一緒に思い出してみるのもおすすめです。
(2)「本当はコレ、やりたくないんだよね・・・」を共有できている?お互いの得意不得意を把握する
理想の状態だけでなく、実は我慢しているけど嫌なことや負担に思っていることも共有しましょう。
きっと山ほど出てくることでしょう。
わが家で夫の口から真っ先に出てきたのは「君がイライラしていること」でした。
こういうご家庭、少なくないはず・・・。
互いに言い分があったとしても「それはあなたが〜だから・・・」と宣戦布告せず、ありのままに一旦受け止めてみましょう。
そんなこと思ってたの?早く言ってよ〜!なんてことが飛び出してきたら、パートナーシップは一歩前進です。
(3)理想と現実のギャップをどう埋める?理想の家庭づくりの作戦を練る
お互いの得意不得意とアウトソーシングを駆使して作戦会議をしましょう。
やりたくないこと、自分でなくてもいいことは積極的に手放すことができれば、手に入れた時間と心の余裕で理想の生活作りに注力できるのではないでしょうか?
大事なことは、夫婦それぞれの大事にしたいことを精一杯叶えようと配慮すること、お互いの負担をできる限り解消できるようの策を練ることです。
押し付け合いの気配を感じたら、まだまだ手放す必要があるのかもしれません。
(4)小さなアクションを「二人で」決める チーム我が家は1日にしてならず
「まずはやってみよう」を合言葉に小さなアクションを決めましょう。
一度の話し合いで劇的ビフォーアフターを期待してはいけません。
トライアンドエラーを重ねて、わが家のベストオペレーションを探っていきましょう。
話し合いだけではわからなかったやってみての違和感や手応えを、お互い伝え合えるようコンスタントに振り返りができるといいですね。
初めは照れ臭かったり面倒に感じたり、相手が乗り気になってくれなかったりするかもしれませんが、徐々にお互いの価値観共有も深まっていくはず。
焦らず、驕らず、怒らず、励まされながら経験することでに最強パートナーへ
理想の家庭を作り上げていく上で、夫婦の共創は不可欠。
実践なしには上達しないのは仕事も家事育児も同じかもしれません。
任されることで自分ごととして考え、試行錯誤し、成功体験により効力感を得ていくのはまさに成長のセオリーです。
アドバイスもダメ出しもグッと飲み込んで、「困ったことがあったらいつでも相談してね!」の笑顔と共にパートナーのやり方を信じて見守りましょう。最終的には、妻は抱え込んでいた家事育児タスクを手放すことができ、どう関わっていいか分からなかった夫は経験を積み、お互いが家事育児をシェアすることで両立を共に実現する「最強パートナー」になることができるのではないでしょうか。
*両立チーム育児のすすめ 実践方法のご紹介*
■夫婦コミュニケーション編
・夫とチームメイトになるために大切なこと